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オウィディウスの『変身物語』––––16・17世紀の挿し絵本とフランス絵画

新畑泰秀

 水面に映る自己の姿に恋い焦がれて憔悴し、水仙へと変身したナルキッソス。女神アフロディテに愛されるも、狩の途中野猪に襲われ、太股の傷口から溢れでる血潮よりアネモネに変身したアドニス、太陽神アポロとの遊戯のさ中、不運にも円盤が頭部にあたり、同様に傷口から流れ出る血潮からヒアシンスに変身したヒアキントス・・・。遠い昔日より西欧世界の文芸にはかり知れない霊感を与え続けてきたローマ詩人オウィディウスがうたう神々の世界の愛と変身の物語。このひろく知られた古典文学が、具体的な姿をもって世に流布し、かつ一般的なイメージとして定着したのは、いったい何時の頃のことであったのだろうか。
 このサイトは、16世紀中頃から17世紀にかけて、ヴェネツィア、パリ、フランクフルトをはじめ、ヨーロッパ各地で出版されて流行し、ニコラ・プッサン、ペーテル・パウル・ルーベンスらバロック期の巨匠たちに多大な霊感を与えた『変身物語(メタモルフォーセス)』の挿し絵本をテーマとするものであり、それらに掲載されたイメージを公開するものである。今回はその第一段として、日本大学芸術学部図書館が所蔵する、1651年にパリの出版社オーギュスタン・クールベによって出版された版『オヴィディウスの変身物語−フランス語韻文による翻訳』(1)を紹介する。
 本サイトを公開するにあたって、その基礎となっているのは、2000年度より2005年度にかけて木村三郎(日本大学芸術学部教授)を研究代表とし、日本学術振興会による科学研究費補助を受けてなされた2つの課題「17世紀フランスにおける挿し絵本と絵画の関係についての総合的研究」(共同研究者:小野崎康裕・栗田秀法・新畑泰秀)と「17世紀フランスにおけるオウィディウスの挿絵と絵画の関係についての総合的研究」(共同研究者:鯨井秀伸・小野崎康裕・栗田秀法・新畑泰秀)である。これら研究はニコラ・プッサンを課題とする研究者が集い、17世紀フランス絵画の神話的主題、宗教的主題をあつかった個々の作品を考察するにあたって、そのイメージの典拠のひとつになったと目される同時代の挿し絵本と作品の関係を探ることを目的としたものであった。すでに刊行された最初の研究報告書にその一端が示されているとおり(2)、本研究においては、これまでにさまざまな成果が得られている。他方、個々の研究が深化していく過程において、この時代の絵画においては、宗教や古典に題材を求めるものが多い中で、特定の文学、すなわちオウィディウスの『変身物語』と絵画の関係の強さが突出していることが強く認識された。それゆえにわたしたちの研究は、これを軸として、基礎的かつ総合的な研究を実現することを目指すようになったのである。

1.16・17世紀の挿し絵本とフランス絵画
 17世紀フランス絵画の研究については、前世紀初頭より膨大かつ詳細な研究が、本国をはじめ世界各国で積み重ねられ、近年においては断片的な研究から総合的な研究へとむかう中で、さまざまな画家のモノグラフやカタログ・レゾネが作成されるなど、大きな進展を見ている。一例を見るならば、前ルーヴル美術館館長ピエール・ローザンベールとルイ=アントワーヌ・プラートを中心としたニコラ・プッサン研究、すなわち1994年から翌年にかけてパリ、グラン・パレで開催された大回顧展を核に据えたプロジェクトによる一連の研究は瞠目すべきものがある。長い年月をかけて蓄積された資料を整理・分析し、論理的にまとめあげる歴史主義的な方法は、作品に関する制作動機、来歴、準備素描・関連版画、様式分析、後世への影響、網羅的な関連文献、そしてそれらを総合しての作品分析の記述に成果が集約されている(3)。
 画家たちの総合的な研究が深化を見せる一方で、彼らが創造の霊感を受けたものが何であったのか。すなわち絵画制作の文学的典拠と図像的典拠は、この分野の重要な課題であり続けてきた(4)。研究者の誰もが、その図像的典拠を考察するにおいて無視できなかったのが、挿し絵入りの物語本や寓意画集であった。17世紀の画家にとって、絵画を制作する過程で、その霊感源として先行する絵画は言うまでもなく重要な典拠であったはずだが、一方で、制作の現場においては、それらよりも物語を記載した文献、しかも挿し絵のある文献が手軽な見本として画家の傍らにあり、それらを参照したであろうことは想像に難くない。この事実に注目した研究は、古くは1926-27年のヘンケルの研究に見ることができ(5)、近年の例は膨大にあるが、たとえばプッサンの《フローラの王国》(ドレスデン国立美術館蔵)の典拠を、画家が参照し得たオウィディウスの書籍の、特にテキストの注釈に重点を置いて検証した1979年のウォーゼンと1986年のトーマスの研究などがその典型であろう(6)。さらにより最新のものとしては、1991年から2001年にかけて行われたこの主題についての研究プロジェクト「ヨーロッパにおける古代神話の受容図像」もこのテーマを語るにおいて欠かせないものである(7)。

2.研究課題とデータベースの公開
 しかし、これら研究を通観して確認出来ることは、何れも挿し絵本と絵画作品との関係が論じられてはいるものの、個々の研究は往々にして断片的であり、総合的、横断的かつ体系的な視点はいまだ欠落したままのように見えることである。一方で、挿し絵本自体の研究についても、図像よりはむしろテキストとその注釈に重きが置かれ、図像自体の生成と発展や継承のプロセスに関する研究はいまだ未成熟なままであるように思われる。したがって、わたしたち研究グループは、図像学研究における実証性を追及することを目的とし、17世紀フランスの画家が触れ得たであろう、そして制作上の着想源になり得たであろうものの中で、最も影響力のあったと目される『変身物語』の挿し絵本を総合的に調査・研究することを課題とすることにした。そしてその成果は一個人あるいは一機関のみの研究で到底成し得ないことはもちろんのこと、当該研究を多方面からアプローチしてきた共同研究によってこそ成しうるものと考えたのである。本研究の研究課題の詳細は以下の通りである。
(1)オウィディウス『変身物語』と17世紀絵画の関係についての美術史学における研究動向の調査・分析。
(2)オウィディウス『変身物語』の15世紀頃から17世紀にかけて出版された版(イタリア語版、フランス語版、オランダ語、ドイツ語版等)の収集。
(3)(2)の文献に対する研究動向(図像およびテキスト)の調査・分析。
(4)(2)の文献にあらわれる挿絵の分析と図像データベース作成。
(5)オウィディウス『変身物語』を主題とした17世紀フランス絵画の図像収集およびデータベース作成。
(6)(4)および(5)の比較研究。
(7)いくつかの代表作品の総合的研究。

 今回のデータベースの公開は、上記の研究項目のうち(2)にあたる。これまで、各々の研究分担者は、ヨーロッパ各国の国立図書館や美術史研究所において、オウィディウスの『変身物語』の異版を実見するとともにデータを集積し、数ある『変身物語』挿し絵本の中からその中心的役割を担ったであろうものを抽出する作業を行った。そして、これまで断片的にしか行われてこなかったこれらの分析を、挿し絵として掲載された画像すべてをデータベース化することによって、総合的に分析するべく準備を進めてきた。サイトのオープンに際しては、ヴァージニア大学のプロジェクト他、既存の先行研究によるインターネット上の既存のサイトを参考にした(8)。

3.オウィディウスの『変身物語』とその挿し絵本について(9)
 オウィディウス(Publius Ovideius Naso, 紀元前43年-紀元17年)は、アウグスティヌス帝時代の詩人。中部イタリアのスルモナで騎士階級の裕福な家庭に生まれた。ローマで法律を学び、公職の道を志すも中途で転向して詩作専念の道を選んだ。やがて優れた機知と社交術をもってローマの社交界で活躍したが、作品を発表したのは30歳を過ぎて後のことだった。以後ローマで主導的な立場で愛詩を多く残し、ラテン語文学の黄金期を代表する詩人となった。しかし紀元8年、作品と生活の派手さゆえか、今となっては判然としない理由で皇帝の逆鱗に触れ、黒海沿岸の僻地であるトミス(現在のコンスタンツァ)へと流され、生涯をそこで過ごすことを余儀なくされた。
 オウィディウスの諸作は、いずれも官能的で優美な形式美を持ち、後世の文芸に多大な影響を与え、西洋の視覚芸術の神話的主題においても重要な源泉でありつづけている。その代表作は、歴史的背景に関係した神話から取られた物語である『変身物語』と、ローマの暦の詩的物語『祭暦』。中でも『変身物語』は過去と現在を問わず、世にあまねく知られた作品である(10)。ヘレニズム期の神話とウェルギリウスの『アエネイス』の中に見いだされるエピソードを典拠とし、それらをひとつの物語として紡ぎ挙げ、さらに彼独特のアイロニーを込めることによってあたしい作品へと昇華させている。題名にもなっている通り、主題は死して転身する人間の物語であるが、一方で実際のテーマは「愛」であり、オウィディウスは物語に豊かな想像力を込めるとともに、恋愛にかかわる感情に対する深い造詣を示している。
 『変身物語』はキリスト教倫理と相反する要素をもっているにもかかわらず、その後宗教が席捲しはじめた時代に、形態を変えることによって生き永らえた。それはつまり、キリスト教的な聖書釈義学の立場から、寓意的、教訓的、あるいは預型論的に解釈されることによって、宗教との結合が図られ、好意的に受容されたのである。こうして『変身物語』の写本は11世紀から増加し、その人気は12世紀以降次第に高まっていった(11)。
 キリスト教教義と結合した最も完成された『変身物語』の版が最初に世に出たのは、中世末期の1316-28年頃のこと、フランスにおいて作者不詳の7万行に及ぶフランス語韻文による『教訓化されたオウィディウス(Ovide moralisé)』が出版された。それは古典をキリスト教的に解釈すると同時に、寓意的ロマンスというフランス的伝統によって脚色したものであり、一般に広く読まれた。1340年頃には、これに倣い、フランスの神学者ピエール・ベルシュイール、すなわちペトルス・ベルコリウスがラテン語に翻案しなおした『教訓化されたオウィディウス(Ovidius moralizatus)』を出版し、これもまた世の中への普及に一役をかった(12)。
 中世を生き永らえた『変身物語』は、ところが宗教との混淆の代償として、物語そのものが持つ本質を失いもしていた。ルネサンス、すなわち人文主義の時代は、それが問い直される時代となった。人文主義者たちは、写本に記載された古典のエッセンスを再発見し、『変身物語』の新しい、つまりは古典本来の読み方を提唱した。それと同時に、古典に見出される神話のシンボリスムと寓意的解釈が徐々に発展し、関連書籍が出版され、さらにはラテン語から各国語に翻訳、脚色され、ついには木版による挿し絵のほどこされた版が登場したのである。これらは、そのポピュラリティがゆえにヨーロッパ中にひろまり、質の高い版も多く出版された(13)。
 ルネサンス期に出版された『変身物語』としては、ベルシュイールのテキストに倣った1484にブリュージュで出版された版がまずその代表とされるが(14)、イメージが挿入された版としては、1497年にヴェネツィアにおいて、ボンシニョリによるイタリア語訳のテキストに、『ポリフィーロの夢』(1499年刊)と類似の挿絵を掲載した版が、その最初期のものである(15)。16世紀にはいると1522年にニッコロ・デリ・アゴスティーニ(16)、1561年にジョヴァンニ・アンドレア・デ・ランギラーラ(17)による版が出版されるなど、スタンダードな版が出そろい、それらは後の『変身物語』の方向を指し示すこととになった。
 ルネサンス期、古典文学は人文主義的知識人の触発によって芸術家の理解を促し、多くの絵画作品が制作された。ジュリオ・ロマーノの手によるマンテーニャのパラッツォ・デル・テの装飾画(1528年頃)、アンニバレ・カラッチによるガレリア・ファルネーゼ(1597-1600)の装飾画などは、その代表的な作例である。「恋愛」を主題とする『変身物語』は、個人の邸宅というプライヴェートな空間に相応しい主題として好まれ、イメージは色彩および表現豊かに描かれている。16世紀にはいると、オウィディウスの世界の詩的で田園的な表現がヴェネツィアで流行した。ティツィアーノやジョルジョーネたちは、物語を田園風景の中におさめることによって視覚的な詩的世界を創造した。中世に宗教的イメージへの読み替えによって表象されたがゆえに、モチーフと主題が分離していた『変身物語』は、こうしてルネサンス期において、両者が再び符合する本来の姿を取り戻すに至った。しかしながら、この時点において同時代に出版された『変身物語』は、テキストが絵画作品の典拠になったことは間違いないとしても、新しく付与された挿し絵はいまだ未成熟な状態であったがゆえに、どの程度イメージの創造に寄与したかは判然とはしない。
 16世紀の後半になると、『変身物語』の挿し絵本は、ついに特定のイメージとしての完成度を極めていくことになる。1557年にリヨンで出版されたベルナール・サロモンが木版による挿し絵を描いてた版と(18)、1563年にフランクフルトで出版されたフィルギル・ゾリスが挿し絵を描いた版は、それに最も寄与した最重要作品と目される(19)。実際これらは、テキストとともにその突出したイメージの完成度ゆえに、後にヨーロッパ各所で出版された無数の版の見本となり、『変身物語』のイメージの定着へとつながっていったからである。さらにそれらが、アンドレア・アルチャーティらによる寓意画集(20)の図像形成にまでも影響を与えたことも特筆しておくべき事実であろう。ただ、ひとつ、例外的にこれらと一線を画す例として、1606年にアントウェルペンにてアントニオ・テンペストが挿し絵をほどこした版を挙げておくことも必要であろう。これはサロモンやゾリスの版の平面的な表現に比べ、三次元的な絵画的イメージで自由に物語を表現している。それゆえに、これはその後の挿し絵本に影響を与えることは少なかったが、絵画作品に対しては、直接の影響を与えたものが少なくはない(21)。
 こうして形成された『変身物語』の図像は、17世紀以降、ヨーロッパの絵画に強大な影響力を持ち続けることになった。その作例は膨大な量にのぼるが、あえてその中で代表的なものを挙げるならば、17世紀フランドルの巨匠ルーベンスの諸作、中でもスペインのフェリペ4世がトッレ・ド・ラ・パラダの狩猟館のために制作した連作(1636-37年)(22)、そして同時代のフランス古典主義絵画を代表するニコラ・プッサンの1630年代から40年代前半の神話主題をストレートに扱う作品郡と、1650年代以降詩的風景の中に道徳的意味を込めつつ描かれた神話表現を挙げることが出来よう(23)。

4.クールベ版『変身物語』(1651年)について
 今回データベースとして公開するイメージは、こうした流れの中で1651年に、パリのオーギュスタン・クールベによって出版された版である。これは、1617年に新たに仏訳されたテキストを用い、1619年に刊行された版と同じ挿絵を利用し再編集して刊行されたものである。それまでに出版された版を踏襲しつつ、オウィディウスのラテン語テキストをフランス語韻文として訳出しているほか、物語に対する道徳的な解釈が付されている。巻末にアルファベットによるインデックスがあるものの、目次に類する記載はどこにもない。本書の内容は以下の通りとなっている。

  Frontispice n.p.
  au Roy (N. Renoüard) n.p.(i)
  à la France (N. Renoüard) n.p.(iii)
  Elegie pour Ovide (De Lingendes) n.p.(v-x)
  à Monsieur Renoüard sur la traduction des Metamorphoses d'Ovide.....n.p.(x-xii)
  Stances. sur les Metamorphoses d'Ovide, traduittes par Monsieur Renoüard.....D.D.M n.p.(xii)
  le premier livre des Metamorphoses d'Ovidio p.1
  le second Livre des Metamorphoses d'Ovide p.37
  le troisième livre des Metamorphoses d'Ovide p.71
  le quatrième livre des Metamorphoses d'Ovide p.97
  le cinquièsme livre des Metamorphoses d'Ovide p.127
  le sixiesme livre des Metamorphoses d'Ovide p.153
  le septiesme Livre des Metamorphoses d'Ovide p.180
  le huictiesme Livre des Metamorphoses d'Ovide p.211
  le neufiesme Livre des Metamorphoses d'Ovide p.242
  le dixiesme livre des Metamorphoses d'Ovide p.273
  l'onziesme live des Metamorphoses d'Ovide p.302
  le douziesme livre des Metamorphoses d'Ovide p.333
  le treziesme livre des Metamorphoses d'Ovide p.355
  le quatrziesme livre des Metamorphoses d'Ovide p.395
  le Quinziesme livre des Metamorphoses d'Ovide p.435
  table des fables, et des choses plus signalées contenuësés Metamorphoses d'Ovide n.p.(i-xii)

 版画は、ジャン・マテウス(Jean Matheus)、イザーク・ブリオ(Isaac Briot)らによるものとされる。個々の物語は、第一巻:混沌が秩序ある世界に変る世界の創造にはじまり、四つの時代、巨人族、狼に変身したリュカオン、人類滅亡の大洪水、新しい人間の祖デウカリオンとピュラ、大蛇ピュトン、月桂樹になったダフネ、牝牛になったイオ、百眼のアルグス、葦になった妖精シュリンクス、太陽神の息子パエトン、第二巻:太陽神の車を御するパエトン、ヘリアデスの転身、白鳥になったキュクヌス、ユピテルに犯されたカリスト・・・と全十五巻にわたり、オリジナルにある全てのエピソードが道徳的解釈とともに挿し絵として掲載されている。その図像表現をそれまでの『変身物語』の挿し絵本と照らし合わせると、最も影響力のあるサロモンとゾリスによる挿し絵を忠実に踏襲していることがわかる。
 1651年のクールベ版『変身物語』は、現在世界の図書館に所蔵されている数および世界の古書サイトから予想される出版部数、他と比較して大型の判型、そして挿し絵の質の高さなどに鑑みると、明らかに当時のスタンダードのひとつであったことがわかる。さらに本書は詳細な道徳的解釈を含め、平易なフランス語の韻文で書かれており、フランス美術造形アカデミーが創設される直前、プッサンやクロードを継いでフランス古典主義の本流が形成されようとしているさ中において、画家たちの「バイブル」であったことは疑いない。

(1)Les Metamorphoses d'Ovide : Traduites en prose française, et de nouveau soigneusement reveué, corrigées en infinis endroits, et enrichies de figures à chacune Fable. Avec XV. Discours contenans l'explication morale et historique. De plus Outre le Jugement de Paris, augmentees de la Metamorphose des Abeilles, traduite de Virgile de quelques Epistres d'O'vide, et autre diuers traitez, Augustin Courbb Paris, 1651.
(2)『平成12年度-14年度文部省化学研究費補助「基礎研究(B)一般(1):17世紀フランスにおける挿し絵本と絵画の関係についての総合的研究」課題番号12410020 研究成果報告書』、研究代表者:木村三郎、研究分担者:小野崎康弘、栗田秀法、新畑泰秀、2003年3月。
(3)Exp. cat., Nicolas Poussin 1594-1665, Galeries nationales du Grand Palais, Paris, 1994-1995, Catalogue par Pierre Rosenberg et Louis-Antoine Prat; Pierre Rosenberg et Louis-Antoine Prat, Nicolas Poussin, 1594-1665: catalogue raisonne des Leonardo Editore, Milano, 1994
(4)Anthony Blunt, Nicolas Poussin, The A.W. Mellon Lectures in The Fine Arts, 1958, National Gallery of Art, Washington, D.C., Bollingen Series 35), Phaidon, London & New York, 1967
(5)M. D. Henkel, "Illustriete Ausgaben von Ovids Metamorphosen im XV., XVI. und XVII. Jahrhundert", Vortraege de Bibliothek Warburg, 1926-27, pp.58-144.
(6)Thomas Worthen, "Poussin's Paintings of Flora", Art Bulletin, Vol.61, No.4, Dec, 1979, pp.575-588; Troy Thomas, "Un fior vano e fragile": The Symbolism of Poussin's Realm of Flora", Art Bulletin, Vol.68, No.2, June, 1986, pp.225-236.
(7)Hermann Walter & Hans-Jurgen Horn(Hrsgg.), Die Rezeption der Metamorphosen des Ovid in der Neuzeit : der antike Mythos in Text und Bild (Internationales Symposion der Werner Reimers-Stiftung, Bad Homburg v.d.H. 22. bis 25. April 1991), (Ikonographische Repertorien zur Rezeption des antiken Mythos in Europa, Beiheft I), Gebr. Mann Verlag, Berlin, 1997; Francesca Cappelletti & Gerlinde Huber-Rebenich (Hrsgg.), Der antike Mythos und Europa, (Ikonographische Repertorien zur Rezeption des antiken Mythos in Europa, Beiheft III), Gebr. Mann Verlag, Berlin, 1997; Luba Freedman & Gerlinde Huber-Rebenich (Hrsgg.), Wege zum Mythos, (Ikonographische Repertorien zur Rezeption des antiken Mythos in Europa, Beiheft III), Gebr. Mann Verlag, Berlin, 2001.日本においても個別作品の研究を含め、プッサンと版画の関係について論じたものがいくつもあるが、代表的なものとして、主に宗教画との関係を扱った次の文献を挙げておく。『フランス国立図書館特別協力 プッサンとラファエッロ:借用と創造の秘密』展図録、栗田秀法監修、愛知県美術館、足利市立美術館、1999年。
(8)インターネット上でオウィディウスのイメージを扱ったこのサイトに先行するものとしては、ヴァーモント大学のホープ・グリーンバーグによる「オウィディウス・プロジェクト」、ハンス=ユルゲン・ギュンターによる「オウィディウス『変身物語』第1巻:ヨーロッパ史において絵画の巨匠によって描かれたイメージ」、そしてもっとも充実したものとして、ヴァージニア大学のダニエル・キニーとエリザベス・スタイロンによるプロジェクトで3冊の書籍として結果を残している「挿し絵化されたオウィディウス−ルネサンスにおけるオヴィディウスのイメージとテキストの受容」などがある。"The Ovid Project: Metamorphosing the Metamorphoses" by Hope Greenberg (Humanities Computing Specialist, University of Vermont), (http://www.uvm.edu/~hag/ovid/); "Ovid:“Metamorophoses, Book I : richly illustrated by Famous Artists in European History" by Hans-Jügen Güther, (http://www.latein-pagina.de/ovid/ovid_m1.htm); "Ovid Illustrated: The Renaissance Reception of Ovid in Image and Text, featuring Metamorphoses illustrations by Virgil Solis et al., with a verse, commentary by Johann Spreng (1563)" Site constructed by Daniel Kinney with Elizabeth Styron (http://etext.lib.virginia.edu/latin/ovid/ovidillust.html); "Le mythe de l'âge d'or" Dossier coordonnnpar Jacques Julien dans le site "Musagora" par Ministère de l'Éucation nationale, de l'Enseignement supérieur et de la Recherche Direction de la technologie - SDTICE (http://www.educnet.education.fr/musagora/agedor/default.htm).
(9)Willem F. Lash, "Ovid", The Dictionary of Art, vol.23, Grove, New York, 1996, pp.679-681.)
(10)オウィディウス、中村善也[訳]『変身物語』、上下巻、岩波文庫、1984年;Ovid, Metamorphoses: Books I-VIII , (Loeb Classical Library), translated by Frank Justus Miller, Harvard Univ. Press, 1977; Ovid, Metamorphoses: Books IX-XV, (Loeb Classical Library), translated by Frank Justus Miller, Harvard Univ. Press, 1977
(11)Erwin Panofsky & Fritz Saxl, "Classical Mythology in Medieval Art", Metropolitan Museum Art Studies, Vol. IV, 1933, pp.228-280.(邦訳:子安三喜男・増子博調[訳]、中森義宗[編]『絵画と文学−絵は詩のごとく』、中央大学出版部、1984年、118-191頁。中世からルネサンス期にかけての、特に『変身物語』の受容についてのより広範な研究については次を参照されたい。Leonard Barkan, The Gods Made Flesh: Metamorphosis & the Pursuit of Paganism, Yale University Press, New Haven and London, 1986.
(12)Ann Moss "Ovid in Renaissance France: A Survey of theLatin Editions of Ovid and Commentaries Printed in France before 1600", Warburg Institute Surveys, Volume VIII, London, 1982.
(13)Don Cameron Allen, Mysteriously Meant: The Rediscovery of Pagan Symbolism and Allegorical Interpretation in the Renaissance, The Johns Hopkins Press, Baltimore and London, 1970.
(14)そこに掲載された図版は、変身の前後の場面ではなく、まさに変身しつつある瞬間があらわされている。Cy commence Ovide,... son livre intitulé Métamorphose, contenant XV livres particuliers moralisiipar maistre Thomas Waleys,... translattet compillpar Colard Mansion..., Bruges, C. Mansion. この版の内容は、1493年パリで出版されたもうひとつのこの時代の重要な版にも受け継がれている。La Bible des poètes, métamorphoze, moralisée par Thomas de Walleys, Paris, 1493, Traduit par Colard Mansion. ルネサンス期を通してベルシュイール版は絶大な影響力を持っていたが、それはルネサンス後期にカトリック教会によって異教とキリスト教をむやみに混淆させるものと非難され、結果としてベルシュイール版はトレント公会議(1545-63年)を経て、1564年に禁書扱いとなっている。
(15)Jean Seznec, The Survival of the Pagan Gods: The Mythological Tradition and Its Place in Renaissance Humanism and Art (Revised Edition, Bollingen series 38), Translated from French by Barbara F. Sessions, Princeton, N.J., Princeton University Press, 1972(邦訳:高田勇訳[訳]『神々は死なず−ルネサンス芸術における異教神』、美術出版社、1977年)。
(16)Ovidio. Metamorphoseos vulgare, Venetia, 1497, Hain-Copinger-Reichling, Traduit par Giovanni Bonsignori, d'après la préface. ここでラテン語から訳出されたテキストは、その後に影響力を持ち、16世紀にはいってからも幾度か版を変えて出版されている。
(17)Tutti i libri de Ouidio Metamorphoseos tradutti dal litteral in uerso uulgar con le sue allegorie in prosa, Venetia, Iacomo da Leco ad instantia de Nicolo Zoppino & Vincentio di Pollo suo compagno, 1522, Il nome del traduttore, Nicolldegli Agostini.
(18)Le Metamorfosi di Ovidio, ridotte da Giovanni Andrea dall' Anguillara in ottava rima, Venetia, G. Griffio, 1561, Traducteur; Giovanni Andrea dell' Anguillara.
(19)Excellente figueren ghesneden vuyten uppersten poete Ovidius vuyt vyfthien boucken der Veranderinghen met huerlier bedietsele duer Guillaume Borluit,..., Lyon, J. Van Tournes, 1557, ill. par Bernard Salomon.
(20)この版は、『変身物語』から主要場面を選び出して、そこからの4行の引用とそのドイツ語訳を付した一種の版画集で、表題には『オウィディウス「変身物語」四行連句集』と記されている。編集と出版はヨハネス・ポスティウス (Johannes Posthius von Germerßheim)によるものである。METAMORPHOSES OVIDII, ARGVMENTIS QUI//dem soluta oratione, Enarrationibus autem & Allegoriis Elegiaco uersu accuratissime expositae, summaque diligentia ac studio illustratae, per M. IOHAN. SPRENGIVM AVGVSTAN. una cum uiuis singularum transformationum Iconibus a Virgilio Solis, eximio pictore, delineatis, Frankfurt, G. Coruinus, S. Feyerabent, & haeredes VVygandi Galli, 1563, ill par Virgil Solis. なおこれには、ほぼ全頁にわたってフランス語による場面説明も付されている。
(21)Metamorphoseon sive transformationum Ovidianarus1m, Antwerp, 1606, ill. par Antonio Tempesta.
(22)Andrea Alciati, Emblematum liber, Augsberg, Heinrich Steyner, 1531.
(23)Svetlana Alpers, The Decoration of the Torre de la Parada (Corpus Rubenianum Ludwig Burchard 9), London and New York, 1971 (Chapter 2: "The tradition of the illustrated Ovids and Rubens's sketches for the Torre de la Parada"; Catalogue Raisonné, pp. 54-66, 174-271).
(24)バロック期の絵画化された『変身物語』については、作品をテキストとともに網羅的に掲載した次の文献を参照されたい。Ovide, Les Métamorphoses: illustrées par la peinture baroque, Volume 1er, traduction du latin par Georges Lafaye, Préfaces par Roberto Mussapi, Pierre Rosenberg et Carlo Falciani, Siane de Selliers, Paris, 2003.